宮島を観光すると、ちょっと一息つく喫茶店がなかなかないことに気付く。あっても、宮島の雰囲気を感じることは少ない、どこにでもある喫茶店。そんな中で、このぎゃらりぃ宮郷は一味違う。もともとは宮島でも屈指の杓子問屋であった宮郷さんのお家。このお家をギャラリー兼喫茶店にしていたのが、このぎゃらりぃ宮郷。宮島というと海岸線の参道、もしくは商店街を歩かれる方がほとんどだと思いますが、商店街から山側に一歩入った路地が昔ながらの宮島の風情をとどめている路地。昔ながらのお家も多く、何より一本しか道を隔てていないにも関わらず、昼間から自分の足音が聞こえる静寂の包む路地。その路地にあり、宮島らしさをとてもよく感じることのできるのが、ぎゃらりぃ宮郷。この路地散策もお勧めですが、表通りの喧騒に疲れ、静かな宮島を満喫するなら、ここに来るといいと思います。私は、千畳閣での演奏が終ると必ずここに立ち寄ってゆっくりお話します。千畳閣からおりるとすぐの場所にあるのもありがたいです。もと、杓子問屋というだけあって、古い家屋のあちらこちらに杓子の装飾がしてあり、また中庭には季節の花が咲き、純和風の落ち着いた雰囲気。お店では、宮郷ご夫婦が笑顔で迎えてくださり、温かいおもてなしをしてくれます。おいしいコーヒーや紅茶、もみじまんじゅう、そして何より自家製のシフォンケーキ。このケーキはその日に焼いた分しかない限定品。また、店内では空いたスペースを使い、ギャラリーとして、展示などもしていて、見るのもまた楽しいと思います。宮島の土鈴や骨董品も店内では販売されているので、こちらもお勧めです。私もこのスペースを使い、演奏会を開いています。それだけではなく、私のＣＤは基本的には演奏会の時か、問合せのあった場合のみの販売ですが、このぎゃらりぃ宮郷さんでは、手にとっていつでも御買い求めいただけます。ちょっとＣＭです。
一度、このぎゃらりぃ宮郷の落ち着いた雰囲気の中で、宮島の午後の至福の一時を過ごされてはいかがでしょうか。

ぎゃらりぃ宮郷 ホームページ こちら

平成十七年七月一日

荒尾　努