このページでは､毎月私が訪れた数百ヶ寺というお寺の 中から素晴らしく私が感じた寺を､写真と供に一ヶ寺ずつ紹介していく予定です｡日本の伝統文化であり､日本人の心を捉えて止ま ない神社仏閣､これを読んで頂いて､実際に足を運んでみたいなと思っていただければ幸いです｡

雲林禅寺(山口県むつみ村)

　　





　雲林禅寺は山口県阿武郡むつみ村にある山寺である。多分、知る人はおそらく少ないと思う。私も知らなかった。平曲（正調平家琵琶）の演奏会の依頼があって、初めて足を運んだ。私は大学の教授の紹介で、雪舟庭園で有名な島根県益田市にある医光寺という御寺で演奏会をさせていただいた。その住職のご縁で、この雲林寺の住職を御紹介いただき、演奏会をする運びとなった。新幹線を新山口でおり、そこから一時間半ぐらいかけて、むつみ村にむかう。山々がとても綺麗で、空気が澄んで、その流れが見えそうなぐらいである。むつみにつくと、昔の街道の小さな宿場のような感じであった。御寺は、立派な山門があり、本堂もとても綺麗でした。ただ、11月底冷えする寒さだが、空気がきれいすぎて、変な表現だが、寒さが心地よい。演奏会まで、時間があったので、周囲を歩くと、大きないちょうの木が3本ある八幡神社があった。昔は神仏習合が一般的である。おそらく、この八幡様と雲林寺はセットだったとおもう。人があまり訪れていないのだろう。イチョウの葉が境内に続く階段に敷き詰められているようで、本当に美しかった。この大イチョウは立派で両手を回しても届かない幹、生命を感じる。御参りをした後、反対側にも立派なイチョウがあり、その紅葉ぶりを見に行きました。そのイチョウの下に、清水の湧く池のようなものがあり、イモリがいました。久々に自然、生命を感じることの出来た時間でした。夕日も綺麗で、時間も空気も正常に流れている、そんな気がしました。何だか、体が中から綺麗になった気がした。こういう時間を過ごせることは本当にありがたいことである。
　

　　　　　



過去の御寺（古寺古社巡礼）